初めて会った子同士でもマイクラを一緒にやると会話が弾む

発達障がいは、社会的・コミュニケーション能力の発達にも影響を与えることがあります。

具体的には、社会的な相手の気持ちを理解したり、表現したりすることが難しい場合があり、例えば言葉やジェスチャー、表情などで相手の感情を読み取ることが苦手であったり、自分の気持ちを的確に伝えることができなかったりします。

例えば自閉症スペクトラム障がい児(ASD)は、社会的な相手とのコミュニケーションが難しく、興味関心の強い分野については非常に熟練している一方で、社会的・コミュニケーション的なスキルに問題を抱えることがあります。

しかし発達障がい児が持つ能力や強みを活かし、適切な支援を提供することで、コミュニケーションスキルを向上させることができます。

本記事ではどのようにして発達障がい児がコミュニケーションスキルを上げていくのか、特にマイクラを利用した方法をご紹介します。

最重要ポイントは他の子と話す機会を増やすこと

他の子と話をする機会を増やすことは、発達障がい児がコミュニケーションスキルを向上させるために重要な要素の一つです。

発達障がい児は、社会的な相手とのコミュニケーションに苦手意識を持つことがあり、自己主張や自己表現、相手の気持ちを理解するスキルが不足しがちです。

そのため、積極的に社会的な相手とのコミュニケーションの機会を増やし、自己表現や相手の気持ちを理解するスキルを身に付けることが重要です。

なぜマイクラだと話す機会が増えるのか

マイクラ教室で先生をやっていると、面白い光景を目の当たりにします。

初めて会った子同士でもマイクラを一緒にやると会話が弾む

例えばこの写真の子たち、今日初めて会った子同士なのに、マイクラを共通の話題としてとても会話が弾むんです。

学校が一緒なの?前から知り合いだった?と聞くと「全然ちがうよ!今日初めて会った」と返答があることが何度もありました。

マイクラでは一緒に建物を建築したり、冒険に出かけたりといったことができます。

これをゲームの世界では「マルチプレイ」と呼びますが、マイクラの同じ世界の中でマルチプレイをすることで共通の目的が発生し、子供同士の会話が弾むきっかけになるということなんですね。

これを発達障がい児のコミュニケーション訓練として利用しない手はないわけです。

マイクラは無限世界のレゴと捉えて頂くとわかりやすいですが、世界の中でどれだけ散らかしても、何かをやりっぱなしでも誰も怒らないわけです。

自分がやりたいことを、やりたいだけ、形にして遊ぶことができる。

子供にとっては夢のような世界であるということを大人たちは理解してください。

そんな世界の中で、他の子ども達と一緒に活動するとどんなことが起きると思いますか?

お互いのやりたいことがぶつかり合い、よくトラブルになるわけです。

そんなやり取りが、コミュニケーション力を向上させる絶好の機会になります。

肯定的なフィードバックを与えることを意識する

そんな世界の中でコミュニケーション力を上げる訓練をするには、「肯定的なフィードバックを与える」ことを意識するのが効果的です。

肯定的なフィードバックとは、相手の話を聴いたり、共感したり、適切な反応を示したりすることで表現することができます。

例えば、相手の話を聴いたら、「そうだね」とか「それは大変だったね」と言って相手の気持ちに共感を示すことができます。

また、相手の話に対して適切な反応を示すことも大切です。

相手が話している内容に対して、笑ったり、驚いたり、感動したりするなど、相手の気持ちに合わせた反応を示すことができます。

発達障がい児が肯定的なフィードバックを受け取りやすい環境を作るためには、指導者や周りの大人たちも以下のようなことを意識することが大切です。

無条件の愛情を示すこと

無条件の愛情を示すこととは、子どもに対して、どんな状況にあっても、自分を受け入れて愛していることを伝えることです。

つまり、発達障がい児にとって、自分の行動が正しくなくても(例えばマイクラの世界で他の子が作ったものを壊した、他の子が大切に保管していたアイテムを盗ってしまった)、指導者や保護者は常に子どもを愛していると伝えることが大切です。

具体的には、以下のような方法で無条件の愛情を示すことができます。

積極的にコミュニケーションをとること

子どもが何か話しかけてきたり、何かを共有したいときには、積極的に相手の話を聞いたり、共感を示したりすることが大切です。

また、自分から子どもに話しかけたり、遊んだりすることも無条件の愛情を示す方法の一つです。

親しい間柄を築くこと

子どもと親しい間柄を築くことで、子どもが自分を受け入れてもらえるという安心感を得ることができます。

そのため、マイクラの世界で大人も一緒にまって過ごす時間を作ったり、子どもが作っているものを手伝ってあげたりすることが大切です。

一緒に楽しむこと

子どもと一緒に楽しむことは、子どもが自分を愛してもらっているという安心感を与えることができます。

マイクラならこれが一番簡単にできる!子供と一緒に世界を冒険したり、サバイバル生活をすることで、子どもとの間に絆を深めることができます。

マイクラを活用した共同作業を企画しよう

ここまでマイクラを活用した障がい児のコミュニケーション力向上の方法をご紹介してきました。

マイクラで一緒にサバイバル生活だけでもよいですが、ぜひ、複数の子供達で一緒の世界に入り、

  • 未来の学校を作ろう
  • 未来の遊園地を作ろう

などの子どもたちがワクワクするお題で、お互いに協力し合って成し遂げられるプログラムを企画しましょう!